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「きことわ」を読む [本]

続いて、「きことわ」を読む。

こちらも、芥川賞受賞作。

「苦役列車」を読んだ後に読むせいか、なかなか物語に入っていけない。
別荘を巡る、貴子と永遠子の友情の話。
何もかもが生ぬるく感じる。

選考委員のなかでは、前評判もかなりよく、すぐに受賞が決まったという。
玄人目には、この作品はとても優れているのだろう。
選評を読んでいると、池澤夏樹さんなどは、すべての選評をこの1作を褒め称えることに使っている。
それほどに、すばらしい作品なのだろう。

時間が行ったり来たりする感じ、月の果てから世界一深い海溝のそこまで、スケールは大きく、登場するものすべてが時空にふわふわ浮いているような、不思議な感覚をもつ小説。

しかし、残念なことに、つまらないのである。

本当なら、この手の小説は、文体の美しさによって支えられなくてはならないのではないかと思う。たとえば川上弘美さんのように、読み手が、小説を読んでいるのか、美しい詩をよんでいるのかわからなくなるくらいの力があって、初めて読者を引きつける力をもつ小説になるのだ、と私は思う。

もし、そこに力がないならば、物語としてのおもしろさがなくてはならない。読者が読み進む力を得るのは、文章自体の魅力か、ストーリーの吸引力のどちらかだけなのだから。
しかし、この小説には、物語としてのおもしろさもない。

玄人目には、すばらしい作品なのだから、これから彼女はすごくいい小説を書くようになるのかもしれない。
しかし、この作品がすごく選考委員の受けが良かったというのは、私にはちょっとショックだった。

芥川賞は、純文学の新人賞だから、これでいいのかもしれないけれど。

島田雅彦さんが「美女に優しく、野郎に厳しく」の自分、と書いてあったが、私は逆に「美女に厳しく、野郎に優しく」なのかな。




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R212

同感です!
まったくもってつまらなかった!
修飾に修飾を重ねた長い長い文。文法もいい加減。ひらがなと漢字の使い分けもいい加減。とにかく読みにくい。
中盤からは文章・段落全体が、修飾だらけで、いったい何が言いたいのか。つまるところ、言いたいことなどなく、だらだらと文字を並べる快楽に浸っているだけなのだ、と。知性が感じられない作家だなぁと思いました。

おっしゃるように、詩的な美しさもありませんでした。
美しい修飾は、その部分を削ってしまうと全体の雰囲気が変わってしまうくらい力があるものですが、この小説は、どこを捨てても大して違いがないように見えました。結局、私としては全部捨ててもOKで、何も残りませんでした。
by R212 (2011-02-24 22:03) 

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